隣の家が境界線ギリギリ!これっていいの?

住まい

こんにちは、さーふです!

くらべるブログでは、子育てに家事に仕事、忙しい日々を送る共働き奥様やパート主婦の方でも時間をかけずに良い選択ができるよう「住まい」に関する情報も発信しています。

戸建て住宅に住んでいると、お隣さんとの関係で様々な悩み事が出てくるものです。

隣のお家が敷地境界線ギリギリに建て始めてて、なんだか心配なんだけど。。。

先日も、こんな相談を友人より受けました。

そこで今回は、一級建築士に敷地境界ぎりぎりに家を建てて問題ないのか聞いてきましたので、その内容を解説します。

ぜひ最後まで読んでください。

それでは、解説していきます。

境界ギリギリは建築基準法違反では?

建物を建てる前には、建築基準法に基づき建築確認申請が必要です。

建築確認申請では、建設予定の建物が建築基準法に適合しているのか審査し、確認済証を発行します。

この確認済証が無いと工事に着手はできません。(※一部、地域的、構造的に確認申請が不要な地域もあります)

相談者の場合、既に建物が建ち始めていますので、建築基準法に適合していることがすでに確認されているということです。

つまり、この件を自治体に問い合わせてもサラッと「関知できません」って言われるでしょう。

ん?建築基準法では問題ないの?

ここから、もう少し詳しく解説します。

建築基準法に記載の敷地ギリギリ関係の内容

建築基準法第54条 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離は、当該地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度が定められた場合においては、政令で定める場合を除き、当該限度以上でなければならない。

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域は、都市計画法に定められている地域です。

こういった地域にある場合で、かつ住んでいる自治体の都市計画において壁の後退距離が定めれていれば、境界線から1.5m又は1.0m以上離さないといけないってことです。

相談者の地域はこれに該当しなかったということですね。

建築基準法第63条 防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

防火地域や準防火地域は、都市計画法において、市街地における火災の危険を防ぎ、取り除くために定められている地域です。

こういった地域にある場合、外壁を耐火性能がある構造にすれば敷地ギリギリに建てることができるってことですね。

鋭いあなたは気づいたかもしれませんが、この63条「隣地境界線に接して設けることができる」って書いてあるから、「接して設けてはダメ!」って建築基準法に書いてあるでしょ!って思うでしょう。

しかし、記載がありません。ここで登場するのが、私法の民法です。次で民法について解説していきます。

注)54条や63条以外にも、建築協定等の地域で特別に外壁の後退距離を定めている場合がありますので、自治体に確認すると良いでしょう。

私法で工事に反対はできる?

民法第234条第1項 建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。

同条第2項 前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

このように民法には、境界線から50㎝は離してくださいと記載されています。

これが先ほどの建築基準法第63条とつながるのです。

最高裁の判断

最高裁によると、

建築基準法六五条(現在の63条)は、防火地域又は準防火地域内にある外壁が耐火構造の建築物について、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる旨規定しているが、これは、同条所定の建築物に限り、その建築については民法二三四条一項の規定の適用が排除される旨を定めたものと解するのが相当である。(平成元年9月19日)

つまり、『建築基準法第63条が適用される建設の場合、民法第234条の50㎝ルールは適用しませんよ』ってことですね。

なるほど!民法と建築基準法両方で成り立っている法文なのですね。

ここで、注意です!建築確認申請において、民法は審査項目にありません。

建築確認申請の審査が終わったからと言って、民法も守られているとは限らないってことです。

関連しているのに審査しないってのは違和感がありますが、そうなっているのが現状です。

まとめ

今回の記事は、以下について解説しました。

今回の記事で解説したこと
  • 敷地境界ギリギリの建物が建築基準法違反か?
  • 私法で工事に反対できるか?

すでに着工されている今回の相談案件は、建築基準法には適合しています。

しかし、建築基準法第63条が適用できない敷地では、民法234条によって工事を中止してもらったり、工事内容を変更してもらうことができるってことですね。

そして何より、これから長くお付き合いするお隣さんですので、円満な解決に向かうと良いですね。

以上、日々限られた時間の中で生活される奥様方の参考になれば幸いです。

さーふでした!

コメント

タイトルとURLをコピーしました